Spoon Houseは京王線の明大前駅の南側、商店街をちょっと外れたところにある普通の喫茶店であるが、ここも厚めのホットケーキでちょっと名が知れているらしい。おじさんが一人で切り盛りしている店の扉にはすぐひっくり返される「1時間ほど時間をいただきます」というサインボードが掛かっている。きっとホットケーキを作り始めるとこのサインボードがひっくり返されるのだろう。個人の喫茶店のようにとても丁寧な応対を受けて、幾つかあるホットケーキのメニューからバナナクリーム添えとプレーンのホットケーキを注文する。ホットケーキも非常にリーズナブルな値段であるが、コーヒー、紅茶、ミルクがプラス200円で追加できる。
注文してしばらくするとホットケーキの生地を溶く音がシャカシャカと聞こえてくる。偶然なのかどうか定かでないが、ひょっとしたら注文ごとに生地を作っているのかもしれない。
30分ほどしてテーブルに出てきたのは立派な厚めで二段重ねのホットケーキである。添えてあるバターはやわらかく塗りやすい。冷たくて固いバターを添える店も案外多く、まんべんなく塗りづらい事も少なくない中、ささやかなプラス点である。
ムラのないキレイな茶色い天面はサクッという食感を少し通り越した、カリッと表現してもいいくらいにしっかり焼き上げられている。一方、中はパウンドケーキのようなふわふわとした食感で、コントラストを味わうことができる。Cafe Sonjinのしっとり感は異次元だとしても、香咲と似てしっとり感は控えめでしっかりと火が通っている感じがする。ただしパサパサしているわけではなく、しっかりとしたケーキの食感を味わうことができる。食べ応えがある。
生地には甘さが付いているものの控えめで、メープルシロップを掛けてちょうどいい程度の甘さになる。バターも塩が効いたもので、甘さと塩気の混ざり具合がちょうどいい程度に美味しい。ナイフを入れたところからシロップがふわっと焼きあがった中身に染み込んでいく。なかなかやるな。
バナナクリーム添えのホットケーキはクリームも甘さ控えめで好印象。その他にプリンやフルーツ、小倉あんなども添えることができる。また同時に注文した紅茶がとても美味しい、ホッとする味だったのが印象的だった。
- Spoon House : 東京都世田谷区松原2-29-18 / 営業時間11:30(日12:00)~20:00 木曜休
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