12ヶ月点検の代車で貸し出してくれたA3 Sedanで半日遊んできた。
結論を先に言ってしまうと、良くも悪しくも安心してこの車と半日付き合うことができた。
このA3は前に保有していたVW GOLF7 GTIと同じVW MQBプラットフォームを使っている同サイズのVWグループのモデルである。
GOLF7と同世代同プラットフォーム、かつ共通使用パーツも多いこの車は外装も内装も造形が違うにもかかわらず、結局最後までGOLF7に共通する雰囲気が拭えず、ちょっと複雑な気分になった。
同グループの兄弟車として当然と言われれば当然かもしれないが、Audiならではのプラスアルファに期待しすぎていたのかもしれない。
貸し出された車種がは残念ながらS3ではなくいノーマルグレードゆえGTIとは直接比較することができなかったのも残念だった。
その一方、改めてMQBプラットフォーム車の質の高さを再認識することができたし、静粛性やシートやボタン等内装の質感といった部分でGOLFより上質だと思わせるところもあることはあった。
A3に関していえばハッチバックの方がデザイン的にバランスが取れていると思う。
セダンのサイドシルエットはハンサムであるもののちょっと寸詰まり感を感じる。
もう少しだけでもリアオーバーハングを長くとった方が個人的には伸び伸びとしたデザインになって好きだったかも。
フロントビューはAudi共通のデザイン。例にもれずLED+バイキセノンのヘッドライトは迫力がある。
リアクォーターの姿はかなりハンサムであり好みだ。
ベルトラインが低めに抑えられたダッシュボード。
空調関連のコントロールがこじんまりと配置され、オーディオのコントロールはすべて画面制御となっていて見た目は非常にシンプルな操作系。
しかし(カタログなどで見ていて懸念していた)殺風景という簡素化ではなく、目の前にすると高級感あるシンプルさを感じる。
センターコンソール内にナビ画面が配置され、両側にスイッチ類が配置されたGOLFの少々見た目がビジーなダッシュボードとは対照的である。
MMI(Multi Media Interface)はA4から進化してMMI 2となったらしいが、操作感はそれほど改善したようには思えなかった。
ダイヤル上部がタッチパッドになっていて地図のスワイプなどに使えるのだが反応が遅く、正直あまり使い勝手は良くなかった。
MMI 2の大きな特徴であるAudi Connect。アウディコネクトは携帯電話の通信回線を用いMMIをインターネットに繋げるものである。
ナビゲーション地図にGoogleのサービスが使えるほか、天気予報、ガソリン価格を含むガソリンスタンド情報、ニュース、フライト情報、リアルタイムな満空情報がある駐車場情報などを携帯回線経由でオンラインで利用できるものだ。
グローブボックス内にはSIMスロットが装備されていて、SoftbankのSIMが挿入されていた。
面白がって暫く遊んでみたものの、冷静になればコンテンツはずべてスマートフォンがあれば事足りるものばかりで、日常的にこれを使うかというと懐疑的。
同じくAudi Connectの機能である無線LANルータ機能。車内のWi-Fiスポットを提供する機能である。車内でWiFiにつなげるという経験は新鮮でありもちろん試してみたものの3G回線はお世辞にも早いとは言えず、こちらも日常的には使わない気がした。
3年間の通信費が含まれるとはいえ、このAudi Connectは30万円の価値があるかどうかは難しい。
エンジンは1.4 TSFI cylinder on demand...エンジンルームのエンジン配置もGOLF7 1.4とそっくり。7速のS-TronicデュアルクラッチはVWのDSGに相当する。スムーズな変速であった。
この車は燃費がいい。高速道路を巡行するとみるみる燃費系の数字が上昇する。アクセルを離すと2気筒が停止する2気筒モードで走行することも高燃費の一因だろう。
なおステアリングが重いわりに反応が鈍重でふわつく感じがするのは少々残念。