新しい車が納車された。Volkswagen Polo 1.2TSI。
納車して2日間でまだ150km程度しか走っていないが、カチッとした作りと1200ccとは思えない強力なトルクがやはり印象的だ。まだエンジン回転数はあまり上げていないが、交通をリードして走るには何ら問題はない。積極的にシフトアップを行うDSGは時々やり過ぎじゃないかと思うこともあるが、燃費には十分貢献しそうだ。ドアの開閉感は小型車とは思えない重厚感を感じる。今まで話で聞くしかなかったドイツ車とはこういうものなのかと感心している。
Peugeot 406には不満を抱いていたわけではなかったし、もし車を2台所有できる余裕があったなら所有し続けていたかった。しかしそろそろ違う車に乗ってみたかったし、一生のうちにできる限りいろんな車に乗ってみたいという以前からの思いを果たすべく今回乗り換えを決断した。
そして選んだVolkswagen Poloはインスピレーション、一度はドイツ車に乗りたいという気持ちと、Peugoet 406と違う性格の車に乗ってみたいという3点を追求した結果だ。
一番の目的としたのはダウンサイジング。3000ccの大型車は快適であり、豪快であり、広大であり、オヤジ車的面白さが満喫できた1台だった。一方アクセルを踏めば即座に飛び出すといった軽快さや、取り回しの良さは決して良くなかった。燃費もお世辞もいいとはいえず、経済的な負担も決して小さくはなかった。広大な荷室は時に自転車を何台も呑み込んでくれて便利であったが、殆どの時間は無駄に大きい空間となっていて物置と化すありさまだった。都内に引っ越した後はその大きさも災いして車で出かけるのも少し億劫になっていたのも事実。
そんなこともあって、贅沢さと優雅さを味わせてくれた406の次は少し軽快な小型車がいいと思っていたのだ。
一時期、MINI CLUBMANを見にディーラーを数度訪れたこともあったが、オモチャ的な奇抜なインテリア(センタメーター)は却下され、ワゴンにしてはあまりにも狭い荷室に中途半端さを感じ、ホビーカーにコストパフォーマンスを求めるには無理があるとあきらめたのだった。
プリウスも考えなかったわけではないが、調べてみると「エコカー=小型」と思っていたプリウスは実はサイズがでかいのよ。あれは立派な3ナンバー車なのである。それよりも、今回選から漏れた一番の理由はその先進性なのだ。近未来的なインテリアやハイブリッドシステムを楽しむのはもう一回パスして、次の車以降でもいいかなと思ったのだ。しばらくはガソリンが現実的な価格で推移するだろうから、その間もう少し内燃機関を楽しんでみたいなと思った。
そんなときに5代目の6R型Poloが発表された。これは当初から注目していた車だった。かわいいというイメージから一転、ハンサムな顔つきとスマートなボディデザインはすぐに気に入った。5ドアハッチバックは所有したことがないのも新鮮さという意味では魅力的だった。
特に1200ccながら1800cc並みのトルクを発生しながら低燃費を実現するという1.2TSIエンジン搭載車には強い興味を持っていた。これはハイブリッドエンジン等の代替手段によりエコを追及する日本メーカーと違い、内燃機関そのものの技術開発により低燃費化高効率化を追及する欧州メーカを代表する技術であり世界的にも注目されているエンジンなのだ。そして、トルクコンバーターではなくデュアルクラッチシステムを採用したDSGオートマチックトランスミッションも興味深かった。
昨年日本に導入されたモデルにはこの1.2TSIエンジンが搭載されず、1400ccエンジンが搭載された平凡なモデルだったが、いずれは搭載モデルが日本にも入ってくるだろうという報道をアテにして待つことにした。
そして今年の6月、待望の1.2TSIエンジン搭載モデルが日本導入されるということになった。公称燃費は20km/L、しかも実燃費もそれくらい出るという。これは同レベルのガソリン車ではトップレベルの燃費だ。
心は決まった。
早速ディーラーで試乗してみて話どおりに軽量な車体と1200ccエンジンの組み合わせによるトルク感と加速の良さ(と室内の質感の良さにも)に魅了され、注文となった次第だ。
新車の感想は冒頭に書いたとおり。前の車に比べるとドラスティックな変化である。
3000ccから1200ccへ一気にダウンサイジングである。フランス車からドイツ車への乗り換えである。
プジョーが車体全体でしなやかに乗り心地の良さを作り出す感じに対して、良くも悪しくも小型のドイツ車らしい(?)カッチリ感で時折コツコツと路面を拾う一方剛性の良さをヒシヒシと感じるのは対照的だ。前車の白基調に対して黒基調となった室内はサイズも小さくなり、運転席周りもコックピット然としている。
さぁ夏休みだ。楽しいぞ。