先日VolkswagenのDSG車を運転する機会があった。
操作自体はオートマ(AT)となんら変わりない2ペダルのトランスミッションなので、普通のオートマと同じ感覚であまり気にすることなく車を出発させたのだ。しかしアクセルを踏んだ瞬間に、このトランスミッションが普通のトルコン式オートマと全然違うものだということを思い知らされた...DSGは良くも悪しくもマニュアルトランスミッション(MT)の派生だということを。
DSGはデュアルクラッチトランスミッションの一種である。その仕組みの説明はVWのサイトや他のサイトに委ねるとして、トルクコンバーターを使うために滑りが発生するコンベンショナルATと違い、あくまでもクラッチが直結するに走行時のダイレクト感はまるでMTに乗っているようなのだ。普段は重量の大きいトルコンAT車に乗っているのでかなり衝撃的なダイレクト感だ。
ブレーキを放すとスーッとクリーピングするが、これは意図的に設計されたものだとか。アクセルをある程度踏みこんでいくと、そのままスムースに加速、変速していく。シフトショックもほとんどなく、心地いい。
一方、停止からのアクセル踏み込みが弱いと一瞬であるが加速がギクシャクしてトランスミッションが身震いするような振動が伝わってくる。この感覚はまさしくMTのストール時と同じ感触だ。ダイレクトにクラッチがミートしていることを認識させられる。渋滞はちょっと苦手なトランスミッションかもしれない。
普通に踏み込でいく限りはシフトアップはすごくスムーズで、シフトショックは殆ど感じない。一方、急加速のためにアクセルを強く踏み込むと、キックダウン時のシフトショックは少し大きい。これもまたクラッチ直結式ゆえの挙動で、従来のATではトルクコンバータの滑りが吸収していたショックなのだろう。
弱点もあるが、なんといってもMTのダイレクト感をATの操作感で味わえるのは魅力的なDSGだ。もちろんトルコンスリップがない分、燃費にも貢献するだろう。
- Volkswagen Interactive : What's DSG - http://www.volkswagen.co.jp/experience/innovation/dsg/dualclutch.html
http://d.hatena.ne.jp/roy-t/20100629#p2
先日、自分もホンダのオートバイのデュアルクラッチシステムについて言及したところでした。VWにもあるのですね。キックダウン時とか、峠の下りなどでどんな感覚なのかが気になります。
ロイさん、自分もホンダ VFR1200Fの記事はチェックしていました。バイクで自動変速というとスクーターが思い浮ぶのでニュースになる理由がわからなかったのですがスクーターはCVTの類なんですね。本格的なバイクにはMTの感覚が必要だったのでしょうか。CVTが発達していない欧州車にはデュアルクラッチが多いそうです。ロスが少ないので最近エコ的に注目されているとか。キックダウン自体は普通でしたよ。エンジンが粘ってタイミングが遅れ気味だったのはプログラミングの問題でデュアルクラッチそのものの問題ではないでしょう。