<- [Previous Article] [Next Article] ->


Strategic Default

| コメント(0)

CBS 60Minutesによると、アメリカ南西部では不動産価値の下落により現在の価値を上回る借入残高を抱える人が増えてきているそうだ。バブル崩壊後の日本でも同じ状況だったのでそれ自体は異常だとは思いつつ特別な事とは思わない。そういうことがおきることも資本主義のリスクである。
問題となっているのは支払い能力があるにもかかわらずローンの債務を放棄する、いわは戦略的債務放棄(Strategic Default)が増えてきていることだ。年間100万人の人がwalk-away、すなわち"何事もなかったかのように(負債から)立ち去る"そうだ。これを可能にするのは銀行の差し押さえ制限を定めた州法で、不動産ローンの不払い時に銀行が差し押さえられるのは対象不動産のみとした債務者優遇の法律である。
不動産価値がローン残高より安くなった時、ローンの支払いを放棄することで差し押さえられるのがその不動産だけだったとしたら支払いを放棄した方が経済的に得になるというわけだ。契約不履行にはなるが違法行為ではないし、一時期クレジット審査にケチがつくことをさえ覚悟すればいい。そうだとしたらローンを返済し続けるのはバカバカしいじゃないかということらしい。
インタビューに答えていた放棄者も悪びれたそぶりはなく、罪悪感はないと堂々と答えている。不良債権を抱える銀行には同情心はないそうだ。「合法だしね。」と。挙句の果てにはwalkawayを助長する動きもある。戦略的債務放棄をアシストするYou Walk Awayというコンサルティング会社まで存在する有様だ。そして今やアメリカの債務不履行の7件に1件が戦略的放棄なんだそうだ。

都合のいい経済活動の放棄。それともこれも経済活動なのか。昔は恥ずべきとされていたことが、今は開き直れることになっているのだろうか。今は合法であれば何でもありなのか?これはモラル崩壊なのか、それもとも今やモラルは変化してきているのか?

自分はどんなに得だからといって、戦略的に立ち去るのは生き方として納得がいかない。きっと自分は不器用な昔の人間なのだろうな。


Watch CBS News Videos Online

コメントする

このブログ記事について

このページは、@nak(あ)がMay 30, 2010 11:11 PMに書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「REGZAメール録画予約とiPhoneアプリ「ココ録」」です。

次のブログ記事は「Ring a Ding Dong♪」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

アーカイブ

アイテム

  • 20240316yamanashi1.jpg
  • 20240316yamanashi2.jpg
  • 20240316yamanashi3.jpg
  • 20240316yamanashi4.jpg
  • 20240316yamanashi5.jpg
  • 20240316yamanashi6.jpg
  • 20240316yamanashi7.jpg
  • 20240316yamanashi8.jpg
  • 20240316yamanashi9.jpg
  • 20240316yamanashi10.jpg
OpenID対応しています OpenIDについて
Powered by Movable Type 8.0.3