Plantronics製のBluetoothヘッドセット: Voyager 855と、Sigma A.P.O.SystemsのBluetoothオーディオアダプタ bluetribe SBT01が届いた。
iPhoneにはBluetooth機能が内蔵されているが、サポートされているプロファイルはハンズフリー通話用のプロファイルのみであり、Bluetooth経由で音楽再生を行うには別途Bluetoothモジュールが必要となる。
ヘッドセットは非常に軽量・小型でカッコイイ。何よりも、絡まるケーブルが存在しないのは精神衛生上非常にすばらしい。イヤホン部分の形状、特にカナル式イヤホンは耳との相性が気になるところだが、フィット感も悪くない。
SBT01が届くまでの間はiPhone内蔵のBluetooth機能を使って855のハンズフリー通話の動作確認を行って遊んでいたが、これ自体はPlantronicsのサイトに動作確認済みと記載があったのであまり心配していなかった。一方で、SBT01と855との接続確認については、SBT01が新製品ということもあって情報が見つからず、少し心配していた。また、Voyager855がハンズフリーと音楽転送/再生プロファイルを両方サポートしていることは仕様表に記載されていたものの、それらプロファイルを2つのBluetooth機器に対してそれぞれ同時にペアリング(マルチペアリング)できるかどうかについては記載がなかった。せっかくのiPhoneなのだから音楽の再生と通話のボタン操作によるシームレスな切り替えが出来なければかなり利便性は劣ってしまう。iPodと別の携帯電話の2デバイス間での切り替え成功例について書かれた記事はあったが、同じことが別モジュールとはいえ1台のiPhoneでできるかどうか不明で、不安と期待を持ちつつリスクを負って購入ボタンをポチッとしたのであった。
SBT01は他社のiPod用Bluetoothモジュールに比べるとかなり小型であり、iPhone接続時も出っ張りはほとんど気にならない。逆に取り外してポケットにしまいこんでいると気をつけないと落としたりなくしてしまいそうなくらい小さく軽い。
早速SBT01をiPhoneに取り付けて855とペアリングを試みてみると、無事にペアリングが成功すると同時に、iPodアプリケーションが起動してイヤホンから音楽が流れ出した。ホッと一安心すると共にワイヤレスに流れてくる音に感激する。思わずiPhoneを机に置いたまま家中を歩き回ってみる。ケーブルを気にせず音楽を聴けるのはなんてすばらしいことなんだろう!
さて、次はマルチペアリングの動作確認だ。855にもSBT01にもマルチペアリングをあらわすLEDや表示はないので、出来ているかどうかは同時動作を試してみないとわからない。早速音楽を聴きながら電話を起動してみる。自宅の固定電話を呼び出してダイヤルしてみると、プププというシグナル音と共に音楽がフェードアウトして、呼び出し音に切り替わった。固定電話を片耳に、イヤホンをもう片耳に、ニヤニヤしながら自分自身に話しかけている姿は人に見られたら滑稽に見えただろう。電話を切ると、自動的に音楽がフェードインしてくる。iPhoneのマルチペアリングは大成功だ。
今まで音楽を聴かなくなるくらいイヤホンケーブルの取り回しにいらだっていた自分にとって、イヤホンのケーブルが消えるというのは大事件で、これを使い始めてから移動中には必ず音楽を聴くようになった。ケーブルからの開放バンザイ。すごく快適である。通勤途中では時々音が一瞬途切れることがあるが、不快に感じるほど頻繁ではない。所詮無線だ。音質は若干低が不足気味のような気がするのでiPod設定でbass boosterを指定している。バッテリーの持ちが少し短くなった気がするが、それは仕方ない。予備のバッテリーを検討しよう。マイク付きヘッドセットの近未来的デザインは若干視線を集め気味で慣れが必要だが、ごく些細なことだ。まだ使用中に電話が掛かってきたことはないが、そのときは改めて感激するのだろう。
それにしてもここまで便利さを体感してしまうと、Appleがなぜ内蔵Bluetoothに音楽プロファイルを搭載しなかったのだろうか、まずます疑問に感じてしまう。