トラックバックは本来おいしいはず

トラックバック機能はリンクされたwebをダイナミックに、そして自動的に繋げる仕組みとして本質的には有用な機能である。しかしこの機能を利用した好ましくないトラックバック...トラックバックスパムの大量送信が行なわれている現状ではその有用性は半減しているように思えて、これについておのさんも以前言及している。


weblog管理者にとって有用性が損なわれている大きな理由は、このトラックバックスパムの影響でトラックバック受信(表示)機能が完全自動化できないことにだと思う。受信と表示の処理自体を完全自動化することは可能であるが、おのさんも書いているように、内容判定とフィルタ作業(必要に応じたトラックバックスパムの削除etc.)というステップは、ある程度自動化できても最後は人の判断を要してしまうのが現状だ。人の手が必要になると公開されるまで処理がpendingになり、リアルタイム性を損なう。如何に手間を少なくして、自動化、リアルタイム化できるかがトラックバックの本来のおいしさを味わうポイントだと思う。要は手間とメリットのトレードオフである。

@nak.comのweblogはMovabletypeというCMS(Contents Management System)を使っているが、3月に最新版へのアップグレードを行なった理由のひとつは、標準で組み込まれたコメント・トラックバックのスパムフィルタ機能の存在(とそれが優秀だとの話)があったからだ。それまでブラックリストの更新やトラックバックスパムの手動削除にかなり手間を掛けていたのだが、今はほとんどスパム対応に手を掛ける必要がなくなって、以前ほどの”被害意識”はなくなった。未対策の掲示板には現在毎日10件前後のスパム書き込みがあるが、実はweblogの方には毎日100件以上(!)のトラックバックスパムが飛んできている。しかし優秀なフィルタ機能により、それを突破されるのは週に1回あるかないかであり、作業はほぼ自動である。

トラックバック受信を管理者のリンク元確認手段としてでなく、その表示をwebを繋げるインタラクティブ(web間のパスが対外的に作られるという意味において、また読み手参加型という意味で)コンテンツとして考えると面白い仕組みだと思うし、publishingからdiscussionに移行する今のweb(これはweb 2.0というのか?)にふさわしい、まだまだ腐るにはおいしい仕組みだと思う。
それを阻害する要因への対応技術がもっともっと自動化されて、webを利用する我々がそれに屈しないことが、トラックバックをもっとおいしくすると思う。現在SixApart(Movabletypeの開発企業)が主体となり、Trackback規格をIETFので標準化しようという活動が行なわれているが、その中でトラックバックスパム対策の有効解が出てくることを期待する。

Trackback Working Group : http://www.lifewiki.net/trackback

この話はトラックバックに限ったことではなくて、メールにも言える。巧妙なスパムメールは学習型スパムフィルタを備えるMozilla Thunderbirdのフィルタも”突破”して、メールチェックを行なう度に迷惑メールの振り分けに時間を費やされる毎日。個人的にはこっちをなんとかしてほしいー。

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このページは、@nak(あ)がMay 24, 2006 1:09 PMに書いたブログ記事です。

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